爪からわかる「過去の病歴」
~薬の副作用と爪のトラブル~
爪は単なる飾りではなく、私たちの体の状態を映し出す「鏡」のような存在です。
実は、過去に受けた治療や薬の影響が、数年、あるいは数十年後に爪へ現れる ことがあります。
爪に現れる病歴のサイン
生まれてから現在までに、
•強い薬を一定期間服用した
•化学療法(抗がん剤治療)を受けた
•アトピーや喘息で薬を継続的に使用していた
こうした経験がある方は、爪に変化が出る可能性があります。
治療中や直後だけでなく、5年、10年、20年経ってから突然現れるケース も少なくありません。
▪️代表的な症状は…
•爪甲の陥凹や欠損(えぐれ)
•爪甲の菲薄化(薄くなる)
•爪の変色
•爪周囲の炎症や疼痛
などです。
実際に「突然爪が抉れてきた」「最近、爪の周りが痛む」といったご相談をいただき、詳しく病歴を伺うと、過去の治療や薬の影響と関連していることが多くあります。
爪の役割が失われると…
爪は「見た目」だけでなく、指先や足先に力を生み出す重要な器官 です。
爪の機能が低下すると
•手では、物をつまむ・押すといった細かな動作がしづらくなる
•足では、つま先を持ち上げる力や蹴り出す力が弱まり、歩行に影響する
その結果、加齢とともに歩行困難や転倒リスクが高まることもあります。
海外と日本の意識の違い
私が勤務していたハワイのサロンでは、医療機関と連携し、がん治療後や強い薬を使用している方の爪機能を維持する施術 を行っていました。
そのため、副作用が数年後に出るケースはほとんどありませんでした。
一方、日本では「爪と過去の病歴の関係」が十分に知られておらず、爪トラブルが出ても見過ごされることが少なくありません。
思い当たる方はご注意を
過去に
•抗がん剤治療を受けた
•強い薬を一定期間使用していた
•子どもの頃から薬を塗布・服用していた
といった経験がある方は、爪の変化を「単なるトラブル」として放置せず、早めに専門家へ相談されることをおすすめします。
爪は、あなたの体の歴史を語る器官です。
そのサインを見逃さず、今後の健康維持につなげていきましょう。
爪の小さな変化も、身体からの大切なメッセージです