飲食業とネイルの衛生リスク — なぜ避けるべきか
先日、飲食店を経営されているクライアント様からこんなご相談をいただきました
「料理人やスタッフのネイルカラーやアートは衛生的に問題ないのでしょうか?」
私個人の見解としては「衛生面から考えてNG」です
実際、クライアント様も他店で料理人がネイルをしているのを見て「自分もやってみたい」と思われたそうですが、その背景にはリスクが潜んでいます
ネイルが飲食業に向かない理由
1.細菌繁殖の温床になる
ネイルカラーやジェルネイルの隙間、そして爪周囲の皮膚は、湿気や皮脂、食材のカスが溜まりやすく、細菌が増殖しやすい環境です。
2.交差汚染のリスク
その状態で食材や調理器具、食器に触れると、細菌や不衛生な物質が付着し、食中毒や感染症を引き起こす可能性が高まります。
3.衛生管理基準との不一致
厚生労働省や食品衛生法に基づくガイドラインでも、調理従事者は清潔な爪・手指の維持が求められています。装飾ネイルはこの基準に反する場合があります。
実際に見た「ネイルの中の世界」
ハワイで活動していた頃、ネイルをした爪を顕微鏡で観察する機会がありました
そこには、想像以上の数と種類の細菌 がびっしりで軽いトラウマになるほどの光景でした
この経験からも、食品に触れる職種でのネイルは避けるべきだと強く感じています
ネイルを許している飲食店と禁止している飲食店の違い
都市部の飲食店、特にチェーン展開しているレストランやホテル、百貨店内の飲食店などでは、衛生管理マニュアルに「ネイル禁止」が明記されていることが多く、入社時研修や衛生講習で徹底されます
これは、食品衛生法や自治体の指導、企業ブランド保護の観点からも、リスクを避けるための明確な方針です
一方、地方や個人経営の飲食店では、スタッフの外見ルールがオーナーの判断に委ねられているケースが多く、ネイルに関する明確な規定がない場合もあります
結果として、、、
•衛生面のリスクを十分に知らない
•「おしゃれ」「個性の尊重」を優先してしまう
•小規模で衛生監査の機会が少ない
といった理由から、ネイルを許可しているお店も存在します
つまり、禁止しているお店は「衛生マニュアルやリスク意識が明確」で、許可しているお店は「ルールが曖昧、または衛生知識の不足」という傾向が見られます
飲食業に携わる方にとって、手元の清潔さは「見た目の美しさ」よりも「お客様の安全」を守るための第一条件です
ネイルは素敵な自己表現ですが、食品を扱う現場では衛生リスクを最優先に考える必要があります