爪の根元が腫れる・化膿するというご相談が増えています
最近、お客様から次のようなお悩みをお聞きすることが増えています。
• 「ヘバーデン結節があり、爪の根元が腫れてきた」
• 「爪の付け根に水ぶくれができ、繰り返し化膿してしまう」
特に、手先をよく使うお仕事をされている方や、40代以降の女性のお客様に多く見られる傾向です。
爪のトラブルをきっかけにご来店されますが、丁寧にお話を伺っていくと
「実は関節が腫れてきて…」「指が少し変形してきた気がして…」
と打ち明けてくださる方も少なくありません。
ヘバーデン結節とは?
ヘバーデン結節とは、指の第一関節に腫れや骨の変形が生じる状態のことを指します。
よく見られる症状
• 指が曲がったまま伸びにくい
• 手を握る際にこわばりを感じる
• 動かすと痛みが出る
• 関節部分がポコッと膨らんで見える
「年齢のせいだから仕方ない」と諦めてしまう方も多いのですが、実はこの関節の変化が、爪にも大きな影響を与えることがあります。
なぜヘバーデン結節で「爪」にトラブルが起きるの?
爪は単独で存在しているものではなく、指の骨・関節・皮膚と密接に連動した組織です。
第一関節に炎症や変形が起こると、爪の生え際が圧迫されやすくなります。
その結果、次のようなトラブルが連動して起こりやすくなります。
● 粘液嚢腫(ミューカスシスト)
関節内の液体が漏れ出し、爪の根元に水ぶくれのような膨らみができることがあります。
神経を圧迫して痛みが出たり、破れて化膿したりするケースも見られます。
● 爪の形の変化
爪母が圧迫されることで、これから生えてくる爪に縦溝が入る・表面が波打つなどの変化が出ることがあります。
● 慢性的な炎症
関節の腫れによって皮膚が引っ張られ、
ささくれや小さな亀裂ができやすくなります。
そこから菌が入り、腫れや化膿を繰り返すケースも少なくありません。
こんな症状はありませんか?(チェックリスト)
• 爪の付け根がぷっくりと腫れている
• 透明な水ぶくれのようなものができる
• 触るとズキッとした痛みがある
• 同じ場所で炎症や化膿を繰り返している
• 爪の生え方や形が以前と変わってきた
これらは、爪だけの問題ではなく、指の関節の状態が影響しているサインかもしれません。
日常で気をつけていただきたいこと
爪の根元に違和感があると、つい触ったり、潰したりしたくなりますが、セルフケアでの「いじりすぎ」は逆効果になることがあります。
以下の点を意識してみてください。
• 水ぶくれを無理に潰さない(感染リスクが高まります)
• 甘皮まわりを過度に触らない
• 指先に強い負担をかけ続けない(家事・スマートフォン操作など)
• 乾燥を防ぎ、やさしく保湿する
サロンの役割と医療機関へのご相談
当店では、爪の状態を拝見したうえで、今以上に刺激を与えないための保護や、清潔を保つためのケアを大切にしています。
無理な施術は行わず、指先にかかる負担をできるだけ減らすことを第一に考えています。
赤みや熱感があり、膿が出ている場合は、早めに整形外科や皮膚科などの医療機関へご相談ください
当店と医療には、それぞれ異なる役割があります。
必要な場面で専門家の力を借りることも、大切な指先を守るための選択肢のひとつです。
爪は、体からの小さなサイン
爪は、見た目の変化が現れやすいからこそ、
私たちの体の状態を静かに伝えてくれる場所でもあります。
ヘバーデン結節がある方ほど、「いつもと違う爪の変化」に早く気づいてあげることが、
日常の不快感を軽減するきっかけになるかもしれません。
お一人で抱え込まず、まずはご自身の指先をいたわる時間を作ってあげてくださいね。


