日本人に巻き爪が多い理由と、巻き爪かどうかの正しい確認方法
巻き爪のご相談は本当に多くいただきます。
実際に爪を拝見すると、皆さん確かに通常よりカーブの強い爪をされています。
ですが、ここで一度立ち止まっていただきたいのです。
その状態、本当に「巻き爪」でしょうか?
日本では「カーブが強い=巻き爪」と思い込み、必要以上の処置をして悪化させてしまうケースが非常に多く見られます。
1. 日本人に巻き爪が多いと言われる理由
日本人は遺伝的・骨格的な特徴として、爪の根本からカーブが深い人が多いと言われています。
この「根本のカーブの深さ」は体質的なものであり、必ずしも病的な巻き爪を意味するものではありません。
• 根本からカーブが深い
• 横幅が狭く縦長の爪
• 指先が細い
こうした特徴を持つ方は、見た目だけで「巻き爪だ」と思い込んでしまいがちです。
しかし、この段階では痛みも炎症もなく、機能的な問題もありません。
2. 巻き爪かどうかを見極めるポイントは「根本と先端」
まず確認していただきたいのは、爪の根本(赤丸の部分)と先端のカーブの違いです。
● 巻き爪の可能性が高いケース
• 根本よりも 先端のカーブが強くなっている
● 巻いて見えても巻き爪ではないケース
• 根本も先端も同じようにカーブが深い
(=日本人に多い“体質的なカーブ”)
カーブが強いだけでは巻き爪とは言えません。
重要なのは、カーブの強さによって爪の機能に問題が生じているかどうかです。
3. その「セルフ処置」が巻き爪を作ってしまう
体質的にカーブが強いだけの段階で、
• 爪を短く切りすぎる
• 爪の角を削り落とす
• 深爪にしてしまう
こうした処置を行うと、
真菌感染(爪水虫)や皮膚トラブルのリスクが高まり、痛みが発生しやすくなります。
痛みが出ると身体は無意識に指を庇い、浮き指 → 歩行バランスの崩れ → 本当の巻き爪へ
という悪循環が起こります。
さらに爪も「守らなければ」と角質を増殖させ、結果として 本物の巻き爪が形成されてしまいます。
4. 繰り返す巻き爪・矯正のループにハマる理由
一度痛みが出てしまうと、矯正や削る処置を繰り返さざるを得なくなります。
しかし何度も削れば、爪は薄く、角質は厚くなり、爪本来の役割である「つま先を上げる力」「蹴り出す力」が十分に発揮できなくなります。
これは将来的に、
• 転倒しやすくなる
• 歩けなくなるリスクが高まる
など、寝たきりの原因の一部にもなり得る重大な問題です。
5. 日本に帰国して感じたこと
日本では、「カーブが強い=巻き爪」と安易に判断され、
本来は巻き爪にならずに済むはずの人が巻き爪に悩んでいる
という状況が非常に多く見受けられました。
そしてその多くが、間違った爪の切り方によって引き起こされています。
6. まずは、自分の爪の状態を正しく知ること
巻き爪は痛みだけの問題ではありません。
爪の機能が失われることで将来の歩行や生活の質に影響する重大なトラブルです。
だからこそ、
• 体質としての「カーブ」なのか
• 機能障害を伴う“巻き爪”なのか
• セルフケアや切り方に問題がないか
まずは正しく見極めることが大切です。



