「どうしてこうなっているのか知りたい」
爪検診で、こんなご相談をいただきました。
手荒れがひどく、さらに爪の根元が抉れたようになっている。
まずは写真をお送りいただき、現在の爪や手の状態を確認しました。
その中で気になったのが、手荒れや爪の根元のダメージです。
爪の状態だけを見るのではなく、これまでの治療や投薬などについても確認が必要かもしれないと考え、その可能性についてレポートに記載しました。
こうした場合、現在の状態だけではなく、
「いつ頃からこの状態になったのか」
「以前はどんな状態だったのか」
「過去に治療や投薬を受けたことがあるか」
など、これまでの経過を知ることが大切です。
その後、オンラインでのお話も希望してくださり、詳しくお話を伺いました。
すると、8年ほど前に、がんの治療のため抗がん剤治療をされていたことが分かりました。
もちろん、現在の爪や手の状態だけを見て、
「抗がん剤治療が原因です」と断定することはできません。
爪や皮膚の変化には、さまざまな原因が考えられます。
ただ、抗がん剤治療などのがん治療によって、爪や爪の周囲、皮膚に変化が生じることがあることは、医学的にも知られています。
抗がん剤治療では、
・爪の形や表面の変化
・爪の色の変化
・爪が浮く、剥がれる
・爪の周囲の腫れや痛み
・皮膚の乾燥や荒れ
など、さまざまな変化が起こることがあります。
だからこそ、爪を確認するときには、今の状態だけを見るのではなく、その方がこれまでどんな経験をしてきたのかを知ることが大切だと考えています。
爪は、今現在の状態だけを見ればいいものではありません。
いつから変化したのか。
以前はどんな爪だったのか。
強い薬を使用したことはあるのか。
治療を受けたことはあるのか。
生活環境に変化はなかったか。
そうしたことを一つひとつ伺うことで、爪を見る視点も変わってきます。
そして、もう一つ大切なのが、「爪の状態を知っておく」ということです。
爪は、ただの板ではありません
指先で物をつまんだり、力を入れたり、足では踏ん張ったり、歩いたりするときにも関わっています。
だからこそ、爪に何か変化があったとき、
「年齢のせいかな」
「昔からこうだから」
「仕方ない」
と、そのままにしてしまわないでほしいと思っています。
今回のお客様も、最初は「手荒れと爪の根元の抉れ」という現在の状態についてのご相談でした。
そこから写真を確認し、これまでの経過を伺っていくことで、過去の治療歴についても知ることができました。
「爪には、その人がこれまで過ごしてきた時間も表れることがある」
今回の爪検診を通して、改めてそう感じました。
爪検診では、病気を診断することはできません。
ですが、今の爪がどんな状態なのかを知り、現在からこれまでの経過を振り返るきっかけをつくることはできます。
そして、気になる変化があれば、必要に応じて医療機関へ相談する。
「何か病気を見つけるため」だけではなく、
「今の自分の心身の状態を知っておくため」
に、爪を一度きちんと見てみる。
それも、これからの身体を大切にする一つの方法だと思っています。
爪の小さな変化も、身体からの大切なサインかもしれません。


